ギョーム・ニクルー(監督・脚本)

 1966年、仏ムラン生まれ。自作の脚本を映画化した『Les enfants volants』(91)で監督デビュー。それ以降、10本以上の長編映画を発表し、いくつかのTVシリーズの演出も手がけている。日本で初めて劇場公開された作品は、ジャン=クリストフ・グランジェ原作、モニカ・ベルッチ、カトリーヌ・ドヌーヴ出演のサスペンス・アクション『ストーン・カウンシル』(05)。イザベル・ユペール、ジェラール・ドパルデューがカリフォルニアのデスバレーを訪れる元夫婦を演じた『愛と死の谷』(15・未)は、セザール賞撮影賞に輝き、日本ではフランス映画祭2016にて上映された。そのほかの主な作品はベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品された『La religieuse』(13)、トライベッカ映画祭で脚本賞を受賞した『L'enlèvement de Michel Houellebecq』(14)など。また、俳優としての出演作に『ターニング・タイド 希望の海』(13)などがあり、2019年のTVシリーズ「トワイス・アポン・ア・タイム」の企画にも携わった。すでに本作の次回作としてミシェル・ウエルベック、ジェラール・ドパルデュー出演のコメディ『Thalasso』(19)を発表している。

ギャスパー・ウリエル(ロベール・タッセン)

 1984年、仏ブローニュ=ビヤンクール生まれ。1990年代後半からTVシリーズに出演し、『ジェヴォーダンの獣』(01)で映画デビュー。パリ第8大学で映画を専攻するかたわら、アンドレ・テシネ監督の戦争ロマンス『かげろう』(03)でエマニュエル・ベアールの相手役に抜擢される。ジャン=ピエール・ジュネ監督と組んだ『ロング・エンゲージメント』(04)では、3度目のノミネートにしてセザール賞有望若手男優賞を初受賞。さらにハンニバル・レクターの若き日を演じた『ハンニバル・ライジング』(07)で世界中の注目を集めた。その後も、持ち前の端正なルックスのみならず演技力に磨きをかけ、天才デザイナーのイヴ・サンローランに扮した『サンローラン』(14)で初めてセザール賞主演男優賞にノミネート。グザヴィエ・ドラン監督と組んだ『たかが世界の終わり』(16)で同賞を受賞した。そのほかの主な出演作は『THE LAST DAY』(04・未)、『パリ、ジュテーム』(06)、『ジャック・ソード 選ばれし勇者』(07・未)、『約束の葡萄畑 あるワイン醸造家の物語』(09)、『インサイドゲーム』(09・未)、『ザ・ダンサー』(16)、『グザヴィエ・ドラン バウンド・トゥ・インポッシブル』(16)、『ワンネーション・ワンキング』(18・未)、『エヴァ』(18)など。ギョーム・ニクルー監督が企画を務めたTVシリーズ「トワイス・アポン・ア・タイム」(19)でも主演を務めている。

ギョーム・グイ(カヴァニャ)

 1983年、仏エクス=アン=プロヴァンス生まれ。16歳の時にTVドラマ「Dérives」で俳優のキャリアをスタートさせたのち、2004年までマルセイユのコンセルヴァトワールとカンヌ地方俳優学校で演技を学ぶ。その後は数多くの映画、TVシリーズ、舞台に出演。『Jimmy Rivière』(11)ではセザール賞有望若手男優賞とリュミエール賞最優秀新人男優賞にノミネートされた。最近では『私の知らないわたしの素顔』(19)でジュリエット・ビノシュと共演している。そのほかの主な出演作は『美しき棘』(10・未)、『突然、みんなが恋しくて』(11・未)、『赤い手帳』(11・未)、『ぼくを探しに』(13)、『フレンチ・コネクション -史上最強の麻薬戦争-』(14・未)、『ザ・クルー』(15)、『アナーキスト 愛と革命の時代』(15)、『レイジング・ドッグス』(15・未)、『ギャスパール、結婚式へ行く』(17)など。

ラン=ケー・トラン(マイ)

ジェラール・ドパルデュー(サントンジュ)

 1948年、仏シャトールー生まれ。16歳の時に国立民衆劇場に参加し、俳優の道を歩み出す。ベルトラン・ブリエ監督作品『バルスーズ』(73)で脚光を浴び、その後も『ジュ・テーム…』(75)、『1900年』(76)といった話題作に次々と出演し、フランスを代表するスターに。『終電車』(80)でセザール賞男優賞、『ソフィー・マルソーの刑事物語』(84・未)でヴェネチア国際映画祭男優賞、『シラノ・ド・ベルジュラック』(90)でカンヌ国際映画祭男優賞とセザール賞主演男優賞、『グリーン・カード』(90)でゴールデン・グローブ賞男優賞(コメディ/ミュージカル部門)を受賞している。その他の主な出演作は『隣の女』(81)、『カミーユ・クローデル』(88)、『美しすぎて』(89)、『ジェルミナル』(93)、『ゴダールの決別』(93)、『俺たちは天使だ』(95)、『仮面の男』(98)、『メルシィ!人生』(00)、『宮廷料理人ヴァテール』(00)、『ヴィドック』(01)、『あるいは裏切りという名の犬』(04)、『ルビー&カンタン』(03)、『刑事ベラミー』(09)、『しあわせの雨傘』(10)、『愛と死の谷』(15・未)など。